光学系 特別研究室
Vol. 8 センサヘッドの取付角度による誤差計算
■ 概要
測定対象物に対して、センサヘッドが傾いた状態で設置していると、測定値に誤差が発生します。
設置角度と誤差の関係式、誤差の目安、対処方法について解説します。
■ 設置角度と誤差の関係
測定対象物の変位する方向に対して、センサヘッドを傾いた状態で設置していると、下図のように物理的に実際に変位
している距離と変位センサが測定している距離が異なることとなり、それに伴って測定誤差が発生します。
このような場合、変位センサの設置角度をθと
すると、測定誤差は下記の式で算出できます。
Y=X/cosθ
測定誤差=Y−X
■ 設置角度と測定誤差の目安
上記の式から、測定誤差を算出してみました。(あくまで計算上の数値ですので、「目安」とお考えください)
・ 変位量が1mmの場合
・ 変位量が5mmの場合
・ 変位量が10mmの場合
設置角度 測定誤差 設置角度 測定誤差 設置角度 測定誤差
1° 約0.2um 1° 約0.8um 1° 約1.5um
⇒ ⇒ ⇒
5° 約3.8um 5° ⇒ 約19.1um 5° ⇒ 約38.2um
⇒
10° ⇒ 約15.4um 10° ⇒ 約77.1um 10° ⇒ 約154.3um
■ 対処方法
上記のように、センサヘッドの設置角度が、測定対象物の変位する方向に対して傾いていると測定誤差が発生します
が、設置角度が一定という条件であれば、スパン調整という機能を使用し、「補正」をかけることが可能です。
<設置角度を10°傾けた場合の実測データ>
・ スパン調整なしの場合
・ スパン調整を実施した場合
ヘッドの取付角度による直線性誤差 ヘッドの取付角度による直線性誤差
0.050
0.050
0.040 0.040
理想直線との誤差[um]
理想直線との誤差[um]
0.030
0.030
0.020 0.020
0.010
0.010
0.000 0.000
-0.010 -0.010
-0.020 -0.020
-0.030 -0.030
-0.040 -0.040
-0.050 -0.050
-3.000 -2.000 -1.000 0.000 1.000 2.000 3.000 -3.000 -2.000 -1.000 0.000 1.000 2.000 3.000
移動距離[mm] 移動距離[mm]
角度0° 角度10°(スパン調整無) 角度0° 角度10°(スパン調整無) 角度10°(スパン調整有)
スパン調整機能が一次関数での補正のため、100%の補正とはいきませんが、上記の実測データのようにほぼ、設置
角度が0°の時と近しいところまで補正可能です。
MEMO
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Tech.
07 突起部の位相(角度)演算で工数削減
図のような突起の中心がどこにあるかを角度で測るときに使用します。
位相(角度)
318.395度
基準角度
この角度を出力したい
位相(角度)演算で工数削減
テ クニッ ク
上図の角度を算出するための演算は以下の通りです。
C000=AngW(W001.T.AB
[1] W001.T.AB
, [2])
C001=Min
(C000.MS, 360.0-C000.MS)
C002=AngC
(W001.T.AB
[1] W001.T.AB
, [2])
C003=Mod
(C002.MS+180*Lt C001.MS, C000.MS)
( ,360.0)
これが求める計測値です。
ワンポイント解説
T1
AngCは右図のように、 とT2の中心角度となります。
T1 (30 )
角度は初期値では3時方向を基準に時計回りを正方向と
なっています。 角度T1と角度T2が基準角度をまたぐと、大 T2
(90 )
きい角度 (優角)側の中心角度が出力され、突起の中心でな AngC
(T1, T2)
=60
くなってしまいます。
したがってテクニック06で紹介したAngWを使って場合
わけをし、正しく突起側の位相(角度)が計算できるように
しています。
8
Tech.
06 角度幅を計測する演算で工数削減
図のような突起の角度幅を測るときに使用します。
角度幅
14.936度
この角度を出力したい
エッジ位置で、突起両端の角度を
演算しています
角度幅計測で工数削減
テ クニッ ク
上図の角度を算出するための演算は以下の通りです。
C000=AngW(W001.T.AB
[1] W001.T.AB
, [2])
C001=Min
(C000.MS, 360.0-C000.MS)
これが求める
計測値です。
ワンポイント解説
T1
AngWは右図のように、ひとつ目の角度(T1)からふたつ (30 )
目の角度(T2)を時計回りに見たときの角度幅を演算する
関数です。 T2
(90 )
AngW(T1, T2)
=60
ただし、ふたつ目の角度(T2)がひとつ目の角度(T1)より
大きい場合は大きいほう角度 (優角)となります。
AngW(T1, T2)
=300
したがって今回のテクニックのように、 AngWの値」
「 と
「360-AngWの値」の小さいほうを最終結果として採用す T2
(30 )
るように工夫しています (Min関数でC000と360-C000
の小さいほうを採用) 。 T1
(90 )
参考
一点からでる2本の半直線があるとき、右の図のように
レッカク ユウカク
劣角 優角
小さい角度(劣角)と大きい角度(優角)のふたつができ T1 T2
ます。AngW(T1,T2) T1とT2の大小関係により、
は、 劣
角になるときと優角になるときがあります。今回は、常 T2 T1
に劣角で出力するための演算を紹介しました。
7
K Vスクリプト活用例 2
目標座標から搬送用アームの角度と長さを計算する
入力した目標座標から搬送用アームの移動する角度と長さをを計算します。
例 X 座標 40000
: Y 座標 30000
:
計算
角度 53.13°
: 長さ 50000
:
【使用デバイス】 D M200・・・X座標 DM202・・・Y座標
DM204・・・角度 DM206・・・長さ
KVスクリプトならこんなにシンプル
MR200
’角度計算
DM204.F = DEG
(ATAN (TOF
(DM200.L)/ DM202.L))
計算開始
’長さ計算
DM206.L = ROOT(TOF
(DM200.L)^ 2 + TOF
(DM202.L)^ 2)
目標座標(X、Y)
解説
公式
R
長さ
アークタンジ ト
ェン (タンジ トの逆関数)
ェン
Y
Y
角度θ = tan −1 ― )
(
X
三平方の定理(ピタゴラスの定理)
角度θ
R
長さ = X2 2
+Y
原点
X
角度 はタンジ ト
θ ェン (対辺Y÷底辺X)の逆関数であるATAN
(アークタンジ ト)
ェン 関数を使用して求めます。
長さ はX 2 +Y 2の平方根なので、
R ROOT
(ルー 関数を使用し
ト) ます。
8 www.keyence.co.jp/seigyo
動き解析
2. 動きを「グラフ化」する、
「数値化」する
作成したグラフから移動量や周波数を
計測するには、「計測線」を使用します。
計測線をグラフ上でドラッグしてあわせると、
数値を読み出すことができます。
■ 解析事例 〜リレー接点の移動量〜
リレー:ON
可動接点の移動量
ON 時に一瞬押し
OFF 時に可動接点が
戻されている
振動している
様 子がわかります
様 子がわかります
リレー:OFF
固定接点の移動量
接点間の距離
■ 豊富なグラフ化ツール
分類 ツール グラフ化可能なデータ
画面水平方向の位置
画面垂直方向の位置
位置の測定 個別点 指定した対象の座標を測定します。 開始フレーム位置からの距離
移動速度
移動加速度
2点の水平方向の距離
2点の垂直方向の距離
2点の対象を指定して2点間の距離を
2点間 2点の直線 距離
測定します。 距離変化の速度
距離変化の加速度
距離の測定
基準線と測定点の垂直距離
2点を結ぶ基準線を設けて、
直線 点間
・ 距離変化の速度
基準線と測定点の垂直距離を測定します。
距離変化の加速度
角度
2点を結ぶ直線を2本指定して、
2直線角度 角度の変化速度
2本の直線が交わる角度を測定します。
角度の変化加速度
角度の測定
角度
3点角度 3点で構成される角度を測定します。 角度の変化速度
角度の変化加速度
21
特性図
角度特性(代表例)
投光器 投光器 投光器
PZ-G51 PZ-G51 PZ-G52
(横方向) (縦方向) (横方向)
受光器 受光器 受光器
45
25
25 受光器 受光器
投光器 受光器 投光器 受光器
受光器 受光器
40 θ°
θ°
θ°
θ°
20
20 35 X
X X X
X
設 30
設 設
X
定 15
定 15 定 25 θ°
投光器 投光器
距 距 距
θ°
離 20
離 離
投光器
投光器
X 10
X 10 X 15
(m) (m) (m)
10
5
5
5
0 0
0
-10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 -10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10
-10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10
動作角度 (°
θ) 動作角度 (°
θ)
動作角度 (°
θ)
投光器
PZ-G52 PZ-G41 PZ-G42
(縦方向) 受光器
1000 300
45
900
40 投光器 受光器
250
θ°
800
35
設 700
X
設 200
設 30
定 600 定
定 25 投光器 受光器
距 500 距 150
距 θ°
離 離
離 20
X 400 ワーク ワーク
X 100
X 15 X (白ケント紙) (白ケント紙)
(mm)300 (mm)
(m)
θX θX
° °
10 200 50
5 100
0 0 0
-10 -8 -6 -4 -2 0 2 4 6 8 10 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80
-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80
動作角度 (°
θ) 動作角度 (°
θ)
動作角度 (° θ)
PZ-G101 PZ-G102 PZ-G10R
16
200 50
180 45 15
160 40 14 ワーク
設 140 設 35 設 13 (白ケント紙)
θX
定 120 定 30 定 °
距 12
距 100 距 25
離 離 離 11
X 80 X 20
ワーク ワーク
X
(mm)10
(白ケント紙) (白ケント紙)
(mm)60 (mm)15
θX θX
° °
9
10
40
8
5
20
0 7
0
-60 -40 -20 0 20 40 80
-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80
-80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80
動作角度 (°
θ)
動作角度 (°θ)
動作角度 (°θ)
R-2L
R-3
PZ-G61 R-5
PZ-G10G PZ-G10B 反射テープ
(本体 横方向)
:
16 16 5
15 15
4 θ° X
14 14
設 13 設 13 設
定 定 定3
距 12 距 12 距
離 11 離 11 離
ワーク ワーク
X2
X X
(白ケント紙) (白ケント紙)
(mm)10 (mm)10
θX θX (m)
° °
9 9 1
8 8
7 7 0
-60 -40 -20 0 20 40 80 -60 -40 -20 0 20 40 80 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5
動作角度 (°
θ)
動作角度 (°
θ) 動作角度 (°
θ)
R-2L
R-3 R-2L R-2L
PZ-G61 PZ-G62 PZ-G62
R-5 R-3 R-3
反射テープ R-5 R-5
(本体 縦方向)
: (本体 横方向)
: (本体 縦方向)
:
1.2
1.2
5
θ° θ°
1.0
1.0
4 θ° X
X X
設 設 0.8 設 0.8
定3 定 定
距 距 0.6 距 0.6
離 離 離
X2 X X
(m)0.4
(m)0.4
(m)
1 0.2
0.2
0 0
0
-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 -6 -4 -2 0 2 4 6
-6 -4 -2 0 2 4 6
動作角度 (°
θ) 動作角度 (°
θ) 動作角度 (°
θ)
12
読み取りの極意
読み取り角度
バーコードリーダからバーコードに対する読み取り角度には、読み取りできる範囲があります。
この範囲も、読み取り距離と同様、コード種によって読み取れる角度範囲が変化します。
特にGS1 DataBarでは斜めからの読み取り(ピッチ角)に対する範囲が、他コードと大きく異なります。
CODE39 GS1 DataBar
斜めから見た場合
正面から見た場合
斜めから読み取ると、バーコードリーダから遠い位置にあるバーは細く見え、近くにあるバーは太く見えます。
CODE39のように、バーの太さが2種類のコード種は、斜めからの読み取りでも細太が判別できれば良いので、
読み取れる角度範囲に余裕があります。しかしGS1 DataBarはバーの太さが8種類あるため、どの太さのバーなのか
判別することが困難になります。結果、読み取れる角度範囲は他コードほど余裕がありません。
GS1 DataBarを読み取る場合には、読み取り角度にも注意が必要です。
アプリケーション⑤
四捨五入
~数値の下1桁を四捨五入する方法~
外部機器のアナログデータがばらつく場合などに有効です。
計測データを四捨五入するプロジェクト例
'DM0 :小数点付き演算結果
'DM10:四捨五入結果
IF DM0.F > 0 THEN
DM10.L = DM0.F + 0.5
ELSE
DM10.L = DM0.F - 0.5
END
アプリケーション⑥
X-Y座標から極座標(長さ・角度)への変換
~三角関数を使用した座標変換の方法~
KVスクリプトでは三角関数も使用できます。
X-Y座標から極座標(長さ・角度)に
簡単に変換することが可能です。
X-Y座標から極座標(長さ・角度)へ変換するプロジェクト例
'目標座標から搬送用アームの移動する角度と長さを計算します。
'X座標:DM200 Y座標:DM202 角度:DM204 長さ:DM206
'角度計算
DM204.F = DEG(ATAN(TOF(DM200.L) / DM202.L))
'長さ計算
DM206.F = ROOT(TOF(DM200.L) ^ 2 + TOF(DM202.L) ^ 2)
2章 座 標と時 間から解 析 する
運 動 解 析グラフを作 成 する
板ばねの振幅測定(動体解析アプリケーションVW-H1MA)
上図は、板ばね先端の座標を測定してY軸(画面上下)座標から振幅の変化をグラフ化したものです。
振幅が徐々に減衰していく様子が定量化されています。
このように対象物の座標測定とグラフ作成、数値出力を可能にするのが「動体解析アプリケーションVW-H1MA」です。
作成したグラフは映像とリンクさせて動画保存できます。
動体解 析アプリケーションのグラフ作成ツール
動体解析アプリケーションVW-H1MAには、下表に示すような多数のグラフ作成ツールがあります。
位置座標だけでなく、点間の距離や角度についても解析することができます。
分 類 ツール グラフ化可能なデータ
画面水平方向の位置
画面垂直方向の位置
開始フレームの位置からの距離
位置の測定 指定した対象の座標を測定します
移動速度
移動加速度
2点の水平方向の距離
2点の垂直方向の距離
2点の対象を指定して2点間の距離を
2点の直線距離
測定します。
距離変化の速度
距離の測定
距離変化の加速度
基準線と測定点の垂直距離
2点を結ぶ基準線を設けて、
距離変化の速度
基準線と測定点の垂直距離を測定します。
距離変化の加速度
角度
2点を結ぶ直線を2本指定して、
角度の変化速度
2本の直線が交わる角度を測定します。
角度の変化加速度
角度の測定
角度
角度の変化速度
3点で構成される角度を測定します。
角度の変化加速度
3
8−2 位置補正の原理/回転中心点(パターンサーチを使った一括位置補正の場合)
位置補正とは補正元ウィ ドウの計測結果が登録画像から入力画像に対して、
ン どれだけ変化したかを計測し、その結果を補正先ウィ
ンドウの座標軸の変化に反映させることです。
この点を回転中心点といい、
そして、角度データの場合はどの点を中心として角度を変化させるのかが非常に重要です。 パターン
サーチからX/Y/角度全てを補正した場合は、パターンの中心点が回転中心点となります。
入力画像 : 赤字が登録画像からの変化分
入力画像
X/Yのみ位置補正したときの 十字を回転中心として角度も位置補正した
補正先ウィ ドウの座標軸
ン 補正先の座標軸
十字が回転中心点
もし回 転 中 心 点を指 定せず、 度 のみ
角
補 正 設 定をした場 合、 転 中 心 点は常
回
に原 点 左角 0 , 0 ) となり、 標 軸 及
( ( ) 座
び位置補正先ウィ ドウは赤点線のよう
ン
にずれて補正されてしまいます。
8−2 のポイント
角度を位置補正する際には、回転中心点を意識する必要があります。
角度補正はどの点を回転中心点とするかで、位置補正先ウィンドウの結果が大きく変わります。
角度を計測するパターンサーチの検出した座標を使用している場合は、正しく補正されます。また、演算を使って角度
どこを回転中心点として補正するかを把握していれば、
補正をする際も角度だけではなく、 正しい角度補正ができます。
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